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益代「ちょっと! どこへ向かってるの?」
運転手「…………」
スダ「運転手さん?!」
益代「何で黙ってるのよ!!」

ニヤリとする運転手。

<前回までのあらすじ>
物書き・スダと記者・益代はカフェを追い出され、次の目的地へと向かうためタクシーを拾った。
が、数分で降りるはずがタクシーは一向に目的地へ着かない。
そして運転手は沈黙を続けたまま。
ふたりの運命は?
はたまたドライバーの正体は?
いよいよすべてが明らかに!

宇加賀井益代(うかがい ますよ)
「あたしのを埋められるのは原稿用紙のマス目だけ」

益代「降りるわよ!」
スダ「いやいや、ケガしますって!」
益代「何されるかわからないでしょ! 逃げるが勝ち」
スダ「あのですね……」
益代「アンタは女々しいからボケっとしたままやられちゃえば?」
運転手「ぶるううううううあぁ。オレ様がこのタクシィのドゥオライバーだいぃ」
益代「うわ! セリフに独特なクセがありまくり。なんかどっかで聞いた声。アニメとかでよく聞くんだけど……もしかして」
運転手「うおぉっとそぉれは聞かねぇ約束だぜ嬢ちゃぅん」
益代「思い出した、W本さんだ!」
運転手「嬢ちゃぅんはマスヨって言うのかぁい。同僚に似たような名前の男がいたな……たしかフグ――」
スダ「あああ!! これ以上は版権的にまずいです!」
運転手「女々しいガキんちょはどぅあまってろい」
益代「プププ」
スダ「ククククク」
益代「は?」
スダ「ハハハハハハハハハハ」
益代「どしたの? マジでキモい」
スダ「実は協力してもらいました」
益代「え? え?」
スダ「運転手さんですよ」
益代「つまりアンタらグルってこと?」
運転手「そぉういうことだぁああい」
益代「ねえ、ギャラいくら払ったの?」
スダ「話が下品です」
益代「だってめっちゃ大御所だし!」
スダ「……わかりました。実は――」
益代「マジで?!」
スダ「あのそろそろ今回のテーマに入ってもいいでしょうか?」
益代「ぶるるるるるるるるるるうああ」
スダ「はいはい、マネしない」
益代「マネーの額に驚きマネしました」
スダ「…………」
益代「続きをどうぞ」
スダ「物語ってすぐには結末に向かわないんです」

『物語は遠回りばっかり』

益代「言われてみれば」
スダ「ドラマや映画はクライマックスまで問題が解決しませんよね。それって目的地になかなかたどり着かない車と同じなんです」
益代「それでブログを2記事も使ってタクシー編にしたの? わざわざ大御所まで使って?」
スダ「第四の壁を破らないでください」
益代「あ、ごめん。つい」
スダ「すべての真相がわかるまで、例えば今回はタクシーがどこへ向かうのかはたまた誰が運転しているのかわからないことで車内に緊迫感が走りましたよね? これがドラマになるわけです」
益代「だんだんスケールが大きくなってきたわね」

タクシーは目的地に到着。
降りるふたり。

運転手「むぅぁあたいつでも乗ってくれぇーい」
スダ「ありがとうございました」
益代「なかなかスリルあったわね」
運転手「んじゃあ次のお客さんのところへぶるううううううあ」

走り去るタクシー。

スダ「益代さん、今回はいつもの決めゼリフ言いませんでしたね」
益代「……あ」
スダ「宇加賀井益代が伺い―」
益代「アンタがやるな!」

to be continued……

<今回のおさらい>
物語内の問題はすぐに解決しない
W本さん、ありがとう

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