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ここは某ラジオ局のスタジオ。

ブースには記者の宇加賀井益代。
相向かいに物書き・スダがいる。

<タイトルコール>

益代「宇加賀井益代の、あたしの心を埋められるのは原稿用紙のマス目だけ」

<オープニング>

BGMが流れて、

益代「さて始まりました、宇加賀井益代の、あたしの心を埋められるのは原稿用紙のマス目だけ。パーソナリティの宇加賀井益代です」
スダ「アシスタントの物書き・スダです」
益代「本日はよろしくお願いします」
スダ「よろしくお願いします」
益代「念願のラジオ番組を持つことができてビックリ」
スダ「100記事記念コラムのときに言ってましたよね」
益代「言葉にしてみるもんだね。ブログ恐るべし」
スダ「ちなみにシナリオブログも今回で150記事目です」
益代「これもなにかの巡り合わせかもね。あ、スダさんはよくラジオ聴かれるの?」
スダ「学生の頃、深夜ラジオをよく聴いてました。コサキン(小堺一機さんと関根勤さんのユニット)さんやナイナイさんの番組で大人の世界を勉強したものです。おかげでいろんな世代の人と話ができるように―」
益代「ありがとうございました」
スダ「まだ話してる途中じゃないですか」
益代「あなたの番組じゃないでしょ」
スダ「ええええええ?!」
益代「ところでまだまだ寒い日が続きますが、体調のほうは大丈夫?」
スダ「唐突だなぁ……まぁなんとか」
益代「どっか悪いんじゃないの?」
スダ「実は朝が弱いんです。作家は体調に左右されやすい仕事ですから」
益代「おっと、何かありそうな予感」
スダ「なので今回は作家と健康についてお話ししたいと思います」
益代「いいね、たまにこういうテクニック以外の変化球があるのがこのコラムのいいところ」
スダ「では益代さん、いつものを」

ミキサーが益代の声にエコーをかける。

益代「宇加賀井益代が伺いますよ」

作家の敵、それは………

スダ「益代さん、作家の敵って何だか知ってます?」
益代「そりゃ同業者でしょ。ネタの鮮度とか知名度とか、あとは印税の―」
スダ「違います。全然違います」
益代「そんなにムキにならなくても」
スダ「作家の一番の敵は目から来る疲れ。つまり眼精疲労です」
益代「そっか!今はスマホ、タブレット、パソコンがあるからね」

スダ「執筆が便利になった反面、目に負担がかかる時代になりました」
益代「原稿に手書きをしていた昭和の文豪たちよりも平成の作家のほうがきっと疲れてるよね」
スダ「そうでしょうね」
益代「じゃあ、どうすればいいの?」

➀姿勢に気をつける

スダ「まずは姿勢に気をつけること。猫背になると血の流れが悪くなって疲れやすくなります」
益代「たまにショップの姿見で猫背な自分にビックリするときある」
スダ「血流の悪化によって起こる頭痛と肩こりが一番作家にとってつらいです。よりによってノッて書いているときに起こると何とも言えない悔しさが募ります」
益代「体から出てる危険サインが執筆の妨げになるなんて皮肉よね」
スダ「対策としては市販のパソコンスタンドを使うか、空き箱を台にして高さを出すようにします。そうすることで視線を上げることができるので、目に負担をかけにくくできます。個人差はありますが、試したところ疲れの度合いが少し減りました」
益代「へえ!」
スダ「一度やってみてください」
益代「操作に熱中していると二重あごになりやすいなんて言われてるし、あたしも気をつけよう」
スダ「正しい姿勢と適度な操作時間を取っていれば負担は少ないでしょう」
益代「はい!では今回、これらの便利なデジタル機器を皆様に大特価でご提供いたします」
スダ「益代さん?」
益代「はい」
スダ「あの、番組が違いますけど」
益代「え?通販じゃないの?」
スダ「ちゃんと主旨を理解してパーソナリティやってるんですよね?」
益代「こちらは送料を一切負担しません」

・おさらい
デジタル機器は視線の高さに気をつけて、長時間の操作はなるべく控えめに。

➁あまり無理をしない

スダ「長時間頑張ることが良しとされてきた時代も少しずつ変わってきています」
益代「過労死なんてことがあるからね」
スダ「多少の無理は必要ですが、肝心な体がダメになってしまっては元も子もありません。疲れは日に日に溜まっていくものなので、頑張りたいときに頑張れないなんてこともあるのです。パフォーマンスを維持するには無理をせずに休むことも必要です」
益代「休むことが必要なのはわかったけど、眼精疲労とはどういう関係が?」
スダ「目を使いすぎると寝て起きても疲れが取れません。おまけに髪の毛に元気がなくなりやすくなることもあるそうです」
益代「え?ホント?!」
スダ「解釈としては眼精疲労で生活リズムが狂うので体全体にちゃんとした栄養が行かなくなるからということですね」
益代「そういえばあなたも頭頂部の肌が見えてきたような」
スダ「まだフサフサです!」
益代「あ、弱点見っけ」
スダ「この先もずっとネタにされそう」

・おさらい
健康な生活リズムが良いパフォーマンスを作るので、仕方ないとき以外の夜更かしは避けましょう。

➂適度な運動をする

スダ「もうひとつは運動することです」
益代「これはあたしの勝手な想像だけど、作家さんは家にいるってイメージがある」
スダ「人によりけりです」
益代「ぶっちゃけ、運動してるの?」
スダ「それが……なかなか」
益代「やっぱり家にこもっちゃうか」
スダ「いえ、仕事で外には出るんですが」
益代「サボっちゃう、と」
スダ「……はい」

スダが原稿を益代に見せて、

スダ「ここは僕の口から言うのはアレなんで、益代さんお願いします」
益代「ずるい、逃げるつもり?」
スダ「運動をやってる人が言うのが一番かと」
益代「あたしなんかぜんぜんやってないよ。腕立てでしょ、懸垂でしょ、腹筋でしょ、背筋でしょ、スクワットでしょ。ほら、ぜんぜんやってない」
スダ「めっちゃやってるじゃないですか!」
益代「え?そうなの?」
スダ「その姿勢、見習います」
益代「でも走ってるんだよね?」
スダ「はい、マラソンを軽く」
益代「すごいじゃない」
スダ「まだまだ全然です」
益代「読者のみなさんはマラソン用のスマホアプリを入れたは良いものの、GPS機能をオンにし忘れてたので10km走ったと思ったら実際は6.5kmしか走ってなかった!な~んてことにならないように」
スダ「えっと……誰のことでしょうね」
益代「その結果、マラソン大会で練習のときよりも大幅にタイムが遅れて落ち込んでた男がここにいます」
スダ「余計なこと言わないでください!思い出したくもない」
益代「マラソンの話が出たので、つい」
スダ「あれからショックも筋肉痛もかなり長引いたんですから」
益代「ったく女々しいんだから、もっとガッツを持って挑みなさい」
スダ「……はい」
益代「返事!」
スダ「はい!!」
益代「よろしい。ではここで一曲、宇加賀井益代で『♪こんな晴れた日はダラダラサボろう(remix)』」
スダ「え、益代さんって歌手だったんですか?」
益代「昔……ちょっとね」
スダ「ちょっとねって……ところで僕に頑張れ!って言っておきながらその選曲ですか?!しかもリミックスって、オリジナルバージョンはいつ発売され……」

スダのツッコミが益代の歌でシャットアウトされてしまう。

M 宇加賀井益代「こんな晴れた日はダラダラサボろう(remix)」

・おさらい
体を動かすと血流が良くなって頭の回転が速くなるので、執筆に行き詰ったときはぜひお試しあれ。

<ジングル>

益代「宇加賀井益代の、あたしの心を埋められるのは原稿用紙のマス目だけ」
スダ「シナリオブログ150記事スペシャル」
益代「スペシャル特価でご提供!」
スダ「……もういいです」

CM(45秒)

<エンディング>

益代「お送りして参りましたシナリオコラムラジオ、いかがだったでしょうか?いやあ、あこがれだったんだよね、5分番組」
スダ「たった5分で良かったんですか?」
益代「うん」
スダ「いや、普通はオールナイトニッポンのようにゴールデンタイムや深夜枠で2時間やりたいとか思うものでしょう」
益代「肌荒れが気になっちゃって」
スダ「なら収録にすればいいじゃないですか」
益代「あ、たしかに」
スダ「あのですね、益代さん……」
益代「でも5分のほうが短いなかでいかに要点だけ絞って伝えようか頭を使えるから」
スダ「……確かに」
益代「ダラダラやるよりピシッとね」

エンディングのBGMが流れて、

スダ「ふたつ言い忘れたんですけど」
益代「なに?」
スダ「ひとつはお風呂にしっかり入って体を温めた方がいいです。ただ、今は寒い時期なので温度差によるヒートショックには十分気をつけましょう」
益代「最近増えてるって聞くよね」
スダ「もうひとつは目が疲れたときに蒸気のアイマスクを使っています」

めぐりズム 蒸気でホットアイマスク

益代「これね!作家さんには必須アイテムだわ」
スダ「以前お世話になった作家集団の先輩が買っていたのを見たのがきっかけで、今では目が疲れたときは使っています」
益代「香料にもいろんなバージョンがあるんだね」
スダ「薬局や薬店で見かけたら買ってみてお試しください」
益代「はい、ではこちらのアイマスクを今回大特価で皆様にご提供して―」
スダ「だから番組が違うんですって!」

このラジオ番組はフィクションです。
実現したら良いなぁとは思ってます。

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