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〇栗山家・リビング(夜)

お茶を淹れている孝介。
パソコンで仕事をしている沙知絵。
静かなひとときが流れている。
孝介、お茶を沙知絵に差し入れる。
アイコンタクトを交わすふたり。
お互いだけがわかる無言の会話。

〇アパート・尚美の部屋の前(早朝)

欠伸をしながら尚美がやってくる。
玄関前に人影。
駿だ。

尚美「何か用?」
駿「いったいどこ行ってたんだ? 心配したんだぞ?! 何で連絡くれなかった?」
尚美「別にいいじゃない」
駿「は?」
尚美「連絡できる状況じゃなかったの。見ての通り、朝帰りだし」
駿「何だって?」
尚美「とにかくそういうことだから」
駿「意味がわからない」
尚美「わかってもらわなくてもいいよ」
駿「は?」
尚美「いつだって私の聞くことにハッキリ答えてくれないじゃない」
駿「…………」
尚美「何か隠し事してるとか、すぐにわかるんだから」
駿「そうじゃない。俺はただ―」
尚美「ただ?」
駿「ただ、その―」
尚美「言えないんだ?」
駿「…………」
尚美「私、ハッキリしないのはイヤだから」
駿「違うんだ。尚―」

尚美がドアを思い切り閉める。
立ち尽くす駿で―

〇同・部屋の中(早朝)

足音が遠ざかっていく。
ドア越しにその音を聴いている尚美、泣き出しそうな顔。
朝焼けが照らし出す室内。
尚美と駿の2ショットが儚く見える。

尚美「…………」

尚美の目に涙が浮かぶ。

〇栗山家近くの道(冒頭のシーンと同じ)

うつむいて歩く尚美、急に角から出てきた引越業者のトラックとすれ違う。

尚美の声「(先行して) ちょっと待ってよ!」

〇栗山家・孝介の部屋

T『現在』
冒頭での尚美と孝介のやり取りの続き。

尚美「別居?! 何で? 意味わかんない。だってあんなに仲良くしてたじゃん!」
孝介「ちょっといろいろあってな」

と、孝介が女性服のデザインの仕事を再開する。
尚美がムッとして、

尚美「いろいろじゃないでしょ? なんでのんきに服のデザインなんかしてるの?!」
孝介「とにかく、そういうことだから」
尚美「無理やり話を終わらせないで。まさかケンカしたの? いつ? でも、それくらいで別居なんかするワケ―そうだ!」

尚美がスマホを取り出して電話しようとする。

孝介「母さんならちょうど今出て行ったところだぞ」
尚美「は?」
孝介「ここへ来るときにトラックとすれ違わなかったかい?」

〇フラッシュ

引っ越し業者のトラックとすれ違う尚美。

〇もとの孝介の部屋

ハッとする尚美。

尚美「ウソ……さっきのアレって―」
孝介「心当たりあるみたいだな」
尚美「(電話が繋がって) もしもし母さん、ちょっとどういうこと? え? 聞こえないんだけど! もしもし? もしもし?」
孝介「どうした?」
尚美「なんでこんなときにトンネルに入っちゃうのよぉ!」
孝介「それは残念だ」
尚美「とにかく! 何があったか説明して」
孝介「え?」
尚美「とぼけないで、何でこういうことになったのかを教えてって言ってるの」
孝介「う~ん、何となくかな」
尚美「何となく?」
孝介「うん、自然にこうなった」
尚美「はあ? 私は娘よ? 長女よ? 家族の一員よ? 知る権利くらいあるでしょ?!」
孝介「確かに」

尚美のスマホに着信。
ディスプレイには『母さん』。

孝介「鳴ってるよ」
尚美「知ってる! (電話に出て) もしもし?」

<第4話へつづく>

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