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スダ「これは何のマネですか?!」
益代「……許さない」
スダ「早く縄を解いて下さい!」
益代「ダメ。今日という今日は覚悟しな」

ここは暗がりの地下室。
物書き・スダは椅子に縛り付けられて身動きが取れない。
彼の目の前には女性記者・宇加賀井益代(うかがいますよ)。

スダ「僕が何をしたというんですか?!」
益代「アンタには言いたいことが山ほどあるの。いつのまにかタイトルから物書き・スダ×記者・宇加賀井益代の部分が外され、今回はシナリオコラムが何回目かの表記までされなくなったでしょ
スダ「それは検索キーワードの文字数の都合で仕方なく――それに今回でコラムは特別編を含めて10回目です」
益代「うるさい!アタシが聞きたいことはそれだけじゃないから」

益代がスダの髪をグッと引っ張って、

益代「宇加賀井益代が伺いますよ」
スダ「この場面でその丁寧語は恐い」
益代「1か月もブログにアタシが出ないなんてぜったい許せない!おまけに制作ノートコラムを勝手にひとりで進めちゃってさ」
スダ「それはですね――」
益代「前のシナリオコラムが8月15日よ?今日は9月15日。どんだけ待ったと思うの?姪の貴代ちゃんはふくろうカフェのスタッフだから物語に出るのはしょうがないとして、アタシはもう必要ないってこと?新作を開始させるためのつなぎ役?」
スダ「そうじゃないです。楽しく連載していたら、どのタイミングでこのコラムを入れようか迷っちゃいまして」
益代「それ本心?」
スダ「もちろん。程よいところでまたコラムを書いていこうと思ったんです。益代さんのことは忘れてませんから」
益代「ホントにホント?」
スダ「当たり前です」
益代「アンタのそういうとこがダメなの。肝心な主語をいつも言ってくれないから」
スダ「すいません」
益代「今日までいったいどれだけの女を泣かせてきたの?」
スダ「えっと…………」
益代「いや、数えなくていいから」

スダ「では誤解が解けたところで、早くこの縄を解いてください」
益代「ダ~メ」
スダ「え?」
益代「なにかひとつ、シナリオのノウハウを教えてくれたら解放してあげる」
スダ「……わかりました。じゃあ、このシチュエーションを参考にしましょう」
益代「宇加賀井益代が伺いますよ」
スダ「物語には出だし、つまりファーストシーンが必ずあります。そのファーストシーンを大事にしてください」

シナリオも小説もドラマも映画も
ファーストシーンをたいせつに

益代「どういうこと?」
スダ「例えば今回のブログ。出だしは僕が暗い地下室で椅子に縛られてましたよね?最初にこのシーンを見せることで、読者はいったい何が起こっているのか気になるんです」
益代「たしかに!」
スダ「刑事ドラマなら冒頭は事件発生のシーン、アクション映画なら冒頭は格闘シーンなど、魅せ場を先に持ってきて観る人に興味を持ってもらうことが最後まで見てもらうテクニックです」
益代「なるほど」
スダ「ドラマや映画では出だしでクライマックスのようなシーンを見せることがありますが、これは本当のオチではなくさらにもうひと捻りある場合が多いです。なのでまずセミクライマックスを見せておくことが本当のクライマックスまで見せる引きになるんです」
益代「ってことは静かなシーンじゃダメってことなの?」
スダ「いえ、静かなシーンでも大丈夫です。ただ、そのシーンが観客の興味を引くような内容であるほうが良いです。例えばひとり思い悩んでいるとか、何か行動を起こす準備をしているとか」
益代「はいはい」
スダ「見ず知らずの他人の何も起こらない1日の生活を朝から晩まで見せられてどう思いますか?」
益代「それ、すごい説得力あるわ」
スダ「出だしから目を引くシーンに行くまで時間がかかると飽きられてしまいます」
益代「たしかにまだ?ねえ、まだ?って気持ちになるよね」
スダ「たとえ作者が見せ場はこれからですよって観る側に言っても、早くその見せ場が来なければ終わりです」
益代「客の立場になるとよくわかるわ」
スダ「このテクニックを応用すると、時の流れを自由に変えることになります」
益代「時の流れ?」
スダ「日常生活で時間が戻ったりすることはありません。ですが、物語の中での時間は逆行したり進んだりとバラバラなんです」
益代「要するにメリハリってこと?」
スダ「そうです!シーンによってインパクトのメリハリをつけるんです。出だしでインパクトのあるシーンを見せたら、次に静かなシーンを入れます。すると、変化が起きるので人は興味を持つんです」
益代「へえ」
スダ「引きってとても大事なんです。観ている人の目を惹きつけるシーンをいかに出だしで書けるかによります

益代「じゃあ今回のブログは良い引きになったかしら?」
スダ「そうですね。わざわざこの地下室を見つけるのに時間かかりましたから」
益代「でもアタシの印象、さらに悪くなったりしない?」
スダ「大丈夫です、このシチュエーションすべてが台本による芝居ですから」

to be continued……

<今回のおさらい>
出だしは引きのあるシーンを
観客は意外と厳しい目で見ている
益代ファンの方、お待たせしました

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