BLOG

ブログ

ここはふくろうカフェ。
お盆休みもあってか、店内は大賑わい。
落ち着いた照明の下で何匹ものふくろうが木の枝に留まっている。

静かなひととき。
物書き・スダのお気に入りの場所だ。

彼は記者・宇加賀井益代を待っている。

今回のコラムのテーマは『セリフ』

セリフはとても奥が深いものである。
ずばりドラマや映画のセリフはその言葉通りの意味をなさないことが多い。

好きなのに嫌いと言ったり、
ツラいのに大丈夫と言ったり、
引き止めたいのに別れを告げたり

キャラの感情とは真逆のことを言う。
それこそがセリフなのだ。

なお人に限らず、動物などもキャラクターとしてセリフを言う。

スダはふくろうたちを通じてセリフのコラムを書こうと思い立ったのだ。

女性の声「いらっしゃいませ」

20代後半くらいの女性スタッフが現れる。

スダ「新人さんですか?」
貴代「はい、こないだからここで」
スダ「ここにはお世話になってます」
貴代「ありがとうございます」
スダ「連れが後から来ますので」
貴代「かしこまりました」

近くの席に座るスダ。
貴代がドリンクを持ってきて、

スダ「ありがとうございます」
貴代「ごゆっくりどうぞ」

そこへ益代がやってくる。

益代「お待たせ」
貴代「え?叔母さん!」
益代「あら、貴代ちゃん」
スダ「知り合いですか?」
益代「アタシの姪(めい)よ」
貴代「甲斐貴代(かい たかよ)です」
スダ「伺いますよに書いたかよですか」
益代「文句ある?」
スダ「いえいえ」
貴代「気に入ってるんですけど」
スダ「失礼しました」

貴代が他のお客へ接客に向かう。

益代「で、今回はセリフだって?」
スダ「はい」
益代「宇加賀井益代が伺いますよ」

スダ「セリフはキャラが発するものなので、差別化して個性を出してください」
益代「差別化?」
スダ「はい。例えば自分の呼び方について」

<自分の呼び方>
男性やオスの場合
・僕、ぼく、ボク
・俺、オレ
・オイラ
・自分

女性やメスの場合
・私、わたし
・アタシ
・アタイ
・ウチ
・自分の名前

スダ「このようにいくつもあります」
益代「たしかに」
スダ「ちなみに僕という呼び方は、ぼくかボクでもキャラのイメージが変わってきます」
益代「同じ読みでも書き方が違うだけでキャラが変わるってすごいね」
スダ「あとは語尾に特徴がある場合」

「***だねぇ」
「***じゃんか」
「***あるでえ」

益代「マンガとかでよく見かけるわ」
スダ「セリフとは誰が言っているのかひと目でわかることが大事です」

『キャラクターあってのセリフ』

スダ「このコラムの僕と益代さんもセリフに個性があるはずですよ」
益代「たしかにケチなところとか腹黒いところとか上手くセリフになってる」
スダ「それ、僕への嫌みですか」
益代「ところでせっかくここに来たんだから、この子たちの誰かをセリフで表してみ」
スダ「ずいぶんな無茶ぶりですね」
益代「だって物書きでしょ?」
スダ「それはそうですけど――」
益代「例えば……あの子は?」

ベンガルワシミミズクのオーガだ。
実はスダのお気に入りの子である。

スダ「あ!オーガちゃん♡」

スダ「首傾げてカワウィーイ!」
益代「もしもーし」
スダ「あ、セリフですね」
益代「期待してるよ」

スダがしばらく考えて、

スダ「ぼく、オーガ☆よろしくね♪」
益代「0点」
スダ「それはないでしょ!」

オーガの頭を撫でようとした次の瞬間。
ものすごい速さでスダの指をパクッ。

スダ「はうわ!!」
益代「ええええええ!」

貴代がとんできて、

貴代「大丈夫ですか?」
スダ「はい。ただの甘噛みです」
益代「そうは見えなかったけど……」

※ふくろうさんのなかには噛む子もいるので気をつけましょう。

スダ「噛むほど僕のことが好きなんだね」
益代「イタイ野郎がひとりいます」
貴代「普段は噛まないんですけどね」
スダ「僕だけへの愛情表現でしょう」
益代「ぜったい違う」

to be continued……

営業終了後の店内。
バックヤードのふくろうたち。

貴代が一日の作業を終えて、

貴代「じゃあみんな、またね」

ふくろうたちに手を振って帰宅。

スダの指を甘噛みしたオーガがぼそっと、

オーガ「オレはあんなしゃべり方しない」

<画像掲載協力>

にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。