2018年上半期映画鑑賞リスト
〇映画館・ステージ
何の装飾もされていない檀上。
客席にも誰もいない。
と、タキシード姿の男がやってくる。
物書き・スダである。
スダ「どうも、お久しぶりです。暑くなったと思いきや大雨が降り、気温も気持ちも不安定になりそうな今日この頃ですがいかがお元気でしょうか?」
益代の声「ちょっとアンタ!」
早足で謎の女性がやってくる。
記者の宇加賀井益代(うかがいますよ)である。
スダ「あれ、益代さん?!」
益代「抜け駆けしちゃってさ、良いとこどりしようとしたってそうはいかないわよ」
スダ「何を言ってるんですか?」
益代「え、きょうは助演女優賞の授賞式じゃないの?」
益代もちゃっかり派手なドレス姿である。
スダ「違います。今回は半年に一度の映画鑑賞リスト発表の日です」
益代「それ、いつから恒例化したの?」
スダ「ついさっきです」
益代「おい!」
スダ「まあ落ち着いて下さい」
益代「落ち着けるワケないでしょ!こっちは心配だったのよ?アンタ、前回のブログ更新から15日も経ってるし」
スダ「生半可な文章ではいけないと思って、あることをしてました」
益代「いいわけしない!更新しなかった事実は残るのよ」
スダ「たとえブログでも中身のない文は書けませんから」
益代「でも更新しといたほうが誠意が伝わるし生存確認だっててきるんだから」
スダ「勝手に僕を死なせないでください!」
益代「てか久しぶりに見たら、アンタすっかり雰囲気変わってて前より生き生きしてるからムカつくわ」
スダ「ありがとうございます!」
益代「ほめてないし。で、そのあることってなんなの?」
スダ「答えは……映画鑑賞リスト発表の後で」
益代「それ、バラエティの演出だから!」
天井からスクリーンが下りて来る。
映し出されるリスト一覧。
<劇場鑑賞作品>
キングスマン ゴールデンサークル
進撃の巨人Season2〜覚醒の咆哮〜
パディントン2
祈りの幕が下りる時
スリー・ビルボード
グレイテストショーマン
シェイプ・オブ・ウォーター
ブラックパンサー
ボス・ベイビー
レッド・スパロー
<DVDレンタル鑑賞作品>
ニューシネマパラダイス
ロスト・バケーション
パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊
アナと雪の女王
激突!
ワイルドスピード ICE BREAK
魔界転生(1981年版)
テッド
ワイルドスピード
LOGAN
トレインスポッティング2
フレンチラン
イーグル・ジャンプ
シザーハンズ
バッド・アス
ザ・ウォール
ベイビー・ドライバー
人生の約束
007 スカイフォール
ジョン・ウィックchapter2
蝉しぐれ
狂覗
スイス・アーミー・マン
ドリーム
スキップ・トレース
メッセージ
もしも昨日が選べたら
マイ・インターン
TAP THE LAST SHOW
アトミック・ブロンド
海の上のピアニスト
バリー・シール アメリカをはめた男
カサノバ
益代「なるほど、半年で44作品か」
スダ「今年は鑑賞のペースを落とす代わりに本を読むようになりました」
益代「え、さっき言ってたあることってそれなの?」
スダ「はい。知らぬ間に読むようになってまして。まだまだ半人前ですが」
益代「どんなの読むの?」
スダ「歴史上の偉人による著書や経営関連、人の心理や筋トレの仕組みなど」
益代「そこはシナリオじゃないのかい」
スダ「いやシナリオの他に、です」
益代「あら。でも文章を書くのに回り道してない?」
スダ「むしろいろんな分野の専門知識を取り入れてこそ物語は生きると思ってます。本には「社会とは何か、人の心とは何か、生きるとは何か」がいろんな視点から描かれているんです。ちなみに今は人間の本質である邪な心について学んでます」
益代「よこしまなココロ?」
スダ「人には表と裏の気持ちがあります。例えば普段は誰もが常識(=表の気持ち)を持って生きていますが、ふとした瞬間に悪魔のささやき(=裏の気持ち)が聞こえてくるときがあるんです。それを研究してます」
益代「勉強しなきゃっていけないときについついサボって遊んじゃうとか、ダイエットしたいのについつい食べちゃうみたいなカンジね」
スダ「軽めに言えばそうです」
益代「重めに言うと?」
スダ「サバイバルな環境下で生き残るために他人を犠牲にしようとするとか」
益代「マジで重いわ。じゃあもっと重めは?」
スダ「えっと、例えば―」
スダが益代の耳元で何かをつぶやく。
益代の顔がハッとなって、
益代「それではみなさん、また半年後の鑑賞リストでお会いしましょう」
益代が無人の会場に手を振る。
スダ「勝手に〆ないでください!」
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