シナリオ「タイパライフ オブ ホラーズ」
FM Kawaguchi「ぶたかん!!」リーダーズシアタ―
「タイパライフ オブ ホラーズ」
作・須田剛史
2025年7月26日放送
《キャスト》
光莉(ひかり) 妹 … 水沢綾
真司(しんじ) 兄 … 鹿島裕介
謙之(けんすけ) 父 … 平野岬
テレビ内の役者達 … 須田剛史
役者A「(インテリキャラの声で)あーあ、これで僕の人生も落第点だ」
役者B「(豪快キャラの声で)バカヤロウ、こんなンで捜査を諦められるかぁ」
役者A「最初からこうなると予測して動いてはきたけど、(早口で)まさかそれをすべて越えて台無しするとは…まさに想定外の規格外だ」
役者B「オレのほうだっ、ノロマなインテリ気取っ、願い下げだ。ったいテメエが、だろ? これだから世間知ら、キャリア坊やは―」
真司「ああ、ちょっと!」
光莉「なーに?」
真司「勝手に倍速したりスキップすんなって」
光莉「いーじゃん、べつに」
真司「よくない。クライマックスに至るまで、果たしてこのふたりに何があるのかが大事なのに!」
光莉「わたしは結末だけ知りたいの」
真司「もっとこう過程を大事にしろよ。歌だっていつもスキップしてイントロ飛ばすだろ」
光莉「だって、ボーカルの声だけ聴いてたいんだもん」
真司「(少しずつ早口になっていく)バンドはギターもベースもドラムもあってこそだ。そうやってタイパばっか重視してたらどんどんつまらない人生になっちまうぞ」
光莉「ふん、非リア充すぎる兄貴には言われたくないでーす」
真司「(早口で)あっそう。そういうこと言っちゃいますか。実はお前にずーっと言いたかったことがあるんだよな」
光莉「なによ」
真司「(早口で)いいか、聞いて驚くなよ。実はオレ…(超早口で)彼女できた」
不穏なBGM
光莉「ん? ちょっとお兄ちゃん、何て言ったの? か、カ…」
真司「(超高速で)彼女できたんだ」
光莉「え、わかんない。なに?」
真司「(超高速で)だから彼女できたの!」
光莉「わかんない、聞き取れない。え、ちょっと、なにこれ!」
謙之「光莉、どうしたんだ?」
光莉「父さん、お、お兄ちゃんが変なの!」
真司「(超高速で)父さん、聞いてくれ。オレ、彼女できたんだ」
光莉「ね?」
謙之「おお、そうか! おめでとう」
光莉「え? 言ってることわかるの?」
謙之「当たり前だろ。なあ、光莉こそどうしたんだ。あ、まさか、またイヤホンしてるのか」
光莉「そんなわけないでしょ。え、ちょっとお兄ちゃん何て言ってるの?」
謙之「…本当にわからないのか?」
光莉「ウソ言ってる顔に見える?」
謙之「しょうがないな。真司に、んだ」
光莉「え?」
謙之「だから、んだよ」
光莉「え、ええ? 父さんの言葉、なんかスキップしてるんだけど」
謙之「いったい、どう、んだ。光莉は、なとこ、るから、いな」
光莉「ねえ、父さんもおかしいよ!」
真司「(超早口で)おかしいのは光莉のほうだぞ」
謙之「そう、っきか、しいこと、少し、だらどうだ」
光莉「イヤ、ふたりともコワい!」
真司「(超早口で)非リア充な兄貴だなんてもう二度と言わせないからな」
謙之「そん、と、ったのか」
光莉「誰か、誰か助けてー!」
BGMが終わって、
真司「(ひ)かり―光莉!」
光莉「…え?」
真司「どうしたんだ。そんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」
光莉「お兄ちゃん?」
謙之「いったいどんな悪い夢見てたのか」
光莉「父さんも」
真司「最近バイトから帰るとコレだもん」
光莉「…普通にしゃべってる」
真司「は?」
謙之「きっと後輩の指導で大変なんだよ」
光莉「…スキップしてない」
謙之「え?」
光莉「よかったー! ふたりとも!」
真司「どうしたんだ…お前」
謙之「まあ、良いんじゃないか?」
真司「あ、そうそう、こないだネトフリに昔の洋画が追加されたんだよ」
謙之「お、いいな! 観よう観よう」
役者C「(べらんめえ口調で)おい、あっぶねえだろ! いったいここで何してんだ! さあ、オレと一緒に来い!」
真司「あー懐かしいなぁ、家族みんなで映画館行ったっけ」
謙之「光莉がまだこーんな小さくてさ」
光莉「ぜんぜん覚えてないよ」
真司「(超高速で)途中で出てくるサイボーグにお前、びっくりしちゃってさ」
光莉「…お兄ちゃん?」
謙之「帰りに、トイ、が、なっ、だな」
光莉「父さんまで!」
真司と謙之がどんどん暴走。
光莉「やめてーーーー」
おわり
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