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〇マンション・礼香の部屋(朝)

スーツ姿の礼香。

礼香「行ってきます」
忠男「気をつけてね」

と、忠男の頬にキスする。

礼香「ありがと」

笑みを浮かべる忠男。
礼香が出て行くのを確認して、忠男はそそくさとケータイで調べもの。
SNSサイト内にある『熊井実奈』のプロフィールページ。
現在の勤務先などが載っている。
と、突然玄関ドアが開いて、

礼香「忠男」
忠男「わっ!」
礼香「どしたの?」
忠男「いや、急に戻って来たから」
礼香「そんなにビックリしなくても」
忠男「そ、そうだな。ん? 忘れ物?」
礼香「ううん、何かあったらいつでも甘えていいからね。無理しないでね」
忠男「……ありがとう」

〇ショッピングモール・中

背の高い運送業者の女性・現在の熊井実奈(24)がカートでたくさんの荷物を転がしたり、重い荷物を持ったり。
傍に立つ忠男に気づいて―

〇同・廊下

実奈がカートを引いて歩く。
並走して歩く忠男。
実奈は忠男を相手にしようとせず、

実奈「見りゃわかるでしょ? 仕事中」
忠男「仕事してても話くらい聞けるだろ」
実奈「てっきり死んだのかと思ってた」
忠男「は?」
実奈「あれから何の連絡もないから。オジサンとオバサンもアンタから連絡ないって心配してた。ちゃんと実家に連絡してる? てか、こんなとこで何してんのよ?」
忠男「それは……」
実奈「チャラチャラしちゃって、ひょっとしてヒモかなんか?」
忠男「…………」
実奈「当たり?」
忠男「……半分は」
実奈「サイテー」
忠男「なあ、チョモ」
実奈「その呼び方やめてくれる」
忠男「あの時は……ホントに悪かった」
実奈「今さら? そっちが一方的に縁切ったんじゃない! 違う?」
忠男「…………」
実奈「―麻衣ちゃんのことでしょ」
忠男「え?」
実奈「それを聞きにきたんじゃなくて? どうせタダオのことだから、こないだの同窓会のヤツでも見たんじゃないかと思って」

実奈がスマホの画像を忠男に見せる。
麻衣の隣には実奈も写っている。

忠男「…………」
実奈「ホンっトにわかりやすい男」

〇忠男の過去3・路地裏

明かされるあの日の一部始終。
行く手を悪げな男たちに阻まれた後、ボコボコにされてしまう忠男少年。
麻衣は恐怖のあまり、その場で見ていることしかできない。
ボロボロになっても立ち上がり、麻衣の手を引いて逃げようとする忠男。
が、なおも阻まれて絶体絶命。

実奈の声「タダオのことだから、幼なじみでずっと近くで見てきたから、何をするかくらいわかるに決まってるでしょ!」

そこへ助けに入ってきた実奈が男たちをどんどん払いのけていく。
ふたりを救ったのは実奈だった!

〇もとのショッピングモール

実奈「あの日だって、アタシがいなきゃどうなってたか」
忠男「何で助けたりしたんだよ!」
実奈「はあ?」
忠男「オレはあのままどうなっても何とか手を引いて、岸本を助けようと―」
実奈「ばっかじゃないの?! ヒーローにでもなりたかった? チビでガリガリのアンタがなれるワケない」
忠男「なれると思ったんだ!」
実奈「今のそれは見せかけの筋肉?」
忠男「…………」
実奈「アタシのせいで、麻衣ちゃんにあんなカッコ見せたのを根に持ってるんでしょ」
忠男「…………」
実奈「それであんな態度取ったんでしょ? プライドだけは一人前で、アンタはアタシの言おうとしたことにまったく耳も貸さなかったもん」
忠男「え?」

二人が従業員用のドアまでやってくる。

実奈「悪いんだけど、ここからは従業員以外立入禁止だから」
忠男「待ってくれ、オレに言おうとしたことってどういう―」
実奈「じゃあね」

ドアがバタンと閉められる。

<第8話へつづく>

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