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〇路上(夜)

人通りのある道を里美が歩いている。
何者かが里美の後を追っていて―

〇里美の住むアパート・外観(深夜)

オートロック設備のある2階建て。

〇同1階・総合玄関(深夜)

里美がやってくる。
オートロックを解除しようとする里美の背後で自動ドアが開く。

里美「誰?!」

友人の篠崎遥(21)が申し訳なさそうな顔で立っている。

里美「……遥?」
遥「里美」
里美「どうして?」
遥「気になっちゃって」
里美「…………」
遥「ねえ―」
里美「静かに」
遥「え?」
里美「ここだと近所迷惑になる」

〇本宮家・外観(深夜)

周囲の住宅よりもひと際小さな2階建て。
『本宮』の表札。

〇同1階・リビング(深夜)

俊介が帰ってくる。
リビングの一角にある仏壇に母親らしき女性の遺影が飾られている。
日課のように合掌する俊介。

〇同2階・廊下(深夜)

俊介が歩いていると、パジャマ姿の本宮雅志(53)が部屋から顔を出して、

雅志「よお」
俊介「まだ起きてたんだ」
雅志「早く帰って来れないのか?」
俊介「社会人だから」
雅志「それは父さんも同じだ」
俊介「そりゃそうだけど」
雅志「家事全般、何とかならないか?」
俊介「オレも忙しいから」
雅志「お前に嫁が居ると助かるんだが」
俊介「(呆れて)」
雅志「どっか好い人は居ないのか?」
俊介「さあ」
雅志「あんまり干渉する権利はないが―」
俊介「何だよ?」
雅志「そろそろお前も家庭を―」
俊介「またそれか」
雅志「適齢期だろ?」
俊介「今は平成だから、そういうのはほとんど関係ない」
雅志「父さんの頃はな―」
俊介「だから一緒にするなって」
雅志「年取ったら面倒見てもらわないとな」
俊介「おいおい」
雅志「それにいずれは孫の顔も―」
俊介「その話はいい」
雅志「何か結婚出来ない理由でも―」
俊介「もういいから」

俊介が部屋へ入っていく。

〇同2階・俊介の部屋(深夜)

飾り気のない室内。
通勤カバンなどを床に放る俊介、ベッドに身を投げる。

俊介「(目を閉じて)」

だが眠れないのか、すぐに起きる。
まるで手持ち無沙汰な状態の俊介、テレビを点ける。
深夜のバラエティ番組でグラビアアイドルが自慢げに男性遍歴を語っている。
俊介の顔が険しくなりチャンネルを回す。

〇里美の部屋・内(深夜)

きちんと整理整頓された室内。
リビングで遥が待っていると、里美が飲み物を持ってくる。

遥「すぐ帰るって」
里美「飲んでいけば?」
遥「(申し訳なさそうに)」
里美「用件は?」
遥「ビックリしちゃって」
里美「何のこと?」
遥「街で里美がその―」
里美「これ?」

里美、カゴの中の避妊具に目をやる。
うなずく遥。

里美「大したことないよ」
遥「あのこと、まだ引きずってると思って」
里美「……別に」
遥「心配になっちゃって」
里美「もう平気」
遥「でも―」
里美「用はそれだけ?」
遥「…………」
里美「また余計なことをしに来たんだ」
遥「違うって」
里美「じゃあ何?」
遥「もとの里美になってほしくて」
里美「何それ?」
遥「ただそれだけで―」
里美「もう戻った」
遥「え?」
里美「いつもの私だよ」
遥「里美!」
里美「飲み終わったら帰って」
遥「ねえ―」
里美「今日は疲れた」

〇もとの俊介の部屋(早朝)

眠っている俊介。
部屋の電気もテレビも点いたまま。
画面の中、気象予報士が夜から雨が降ることを知らせている。
俊介が目を覚まし、寝ぼけながら電気とテレビを消す。
ボーっとして仰向けになって天井を見つめ―

<第3話へつづく>

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