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俺はあるショップのスタッフ。
全国どこにでもあるような店だ。
社員として入社したが馴染めない。

最初に言っておくが、流行りのブラック何とかではない。
むしろ良い人たちに囲まれて満足している。

だが、気づけばもうすぐ3年。
いっこうに昇給しない。
仕事も次の工程へ進めないまま。
加えて、ここのところ生きづらい。

誰も傷つけたくない。
誰とも衝突したくない。
ただ平和に生きたいだけだ。

それだけなのだ。
周りが幸せならばそれでいい。

気づけばもうすぐ35歳。
転職するにせよ、そのタイムリミットは刻一刻と近づいて来る。
決まっていつも原因は人間関係。

実際ここでもそうだ。

すべて、自分が悪い。
それだけはわかっている。
しかしどう解決すればいいかそれがわからないだけ。

為太郎「はじめまして」

そんなある日のこと。
いつも通り出勤すると冴えない男の姿が。

彼の名は――今市為太郎。

決して”いまいちダメだろう”ではない。

俺「あ、よろしくお願いします」

いかにもマンガに出て来そうな名前。
年齢は40代後半くらい(あくまで推定)。
ショップ店員と呼ぶには難ありな見た目。
全身に纏った負のオーラ。
そして胸の名札に『研修中』の文字。

年上の新人にはこういうショッピングモールは不似合いだと思った。

休憩時間になったので為太郎さんに話を聴いてみた。
するとある事実に驚かされた。

何と彼は10年目の社員だという!
なのに研修中なのか?
そのインパクトは俺の度肝を抜いた。

為太郎さんの話によると、チェーン店をたらい回しにされてここへ来たらしい。
表向きは研修と謳っているが、本当は社員なのに成果が出ず10年近くも研修社員として働いているのだろう。

俺「10年勤務されてるってすごいですね」
為太郎「ぜんぜん。ムダに年月が過ぎてゆくよ。後輩たちは自信満々に仕事してお客さんを笑顔にしている。なのに自分はぜんぜん人を喜ばせられないんだ」
俺「…………」
為太郎「年齢も年齢だからね。無理してでもここで頑張らないと」

俺と同じだ。
ダメな自分と違い、周りの人たちは全員すごいと思ってたが……
まさかここに俺と似た人がいたなんて。
正直、驚きを隠せない。

それにしても10年目なのに研修って。
よほど仕事ができないに違いない。
まだ三分の一、俺のほうがマシだ。

たださすがにここまで俺は落ちぶれてはない。

為太郎「キミとは気が合いそうだ」
俺「……そうですね」
為太郎「よろしく」

こうして俺は為太郎さんと働くことになった。

<2日目へつづく>

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