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〇海外の小学校・教室

休み時間の風景。
幼い日本人の少女(英理)がポツンとひとり、席に座っている。
外国人のクラスメイトたちが集まって仲良く騒いでいる。
少女はクラスメイトたちに声をかけられず、ただ様子をじっと見ている。

〇大ホール

T「十数年後・日本」
企業の就職説明会。
リクルートスーツ姿の若者たちが企業のブースに座っている。
その中でただひとりラフな格好の安藤英理(22)、辺りを見回している。
メインフロアの大型スクリーンや企業のロゴが入ったのぼりが目に入る。
必死に顔を作る就活生たち、社員の話に耳を傾けて必死にメモしている。
企業側の席に座っている大橋守(41)が、きょろきょろしている英理に気づく。

大橋「安藤さん」
英理「(突然のことで) Yes?」
大橋「ほう、英語で返事とは」
英理「…………」

机の上には何枚もの履歴書が並んでおり、大橋が英理の履歴書を手に取って目を通す。

大橋「それにしても面白い経歴だね。英語ばっかりだ」

英理の履歴書の学歴欄には英字で書かれた海外の学校名がズラリ。
資格の欄にもいくつかスキルが英字で記されている。

大橋「帰国子女か」

英理が反応し、顔が険しくなる。
周囲の学生たちがどよめく。

大橋「羨ましがられるだろう」
英理「……とくに」
大橋「特に?」
英理「……ハイ」
大橋「もったいない」
英理「え?」
大橋「郷に入っては郷に従えってことわざ、わかる?」
英理「ご、ゴウにいって―ご、ゴウ?」
大橋「その土地へ行ったら、その土地のマナーを守れってことだよ」
英理「…………」
大橋「その服、どうにかならないか? 周りを見てみなさい」

英理、周囲を見るとスーツばかり。

英理「でもホームページにはどんなファッションでもOKだって―」
大橋「君、本当に社会人なりたいのかい?」
英理「ルックスじゃなくてパーソナリティで見てほしくて」
大橋「威勢がいいね。もちろん、しっかり見ているさ」
英理「リクルートってこういうもの?」

英理が周囲を見る。
見て見ぬふりをする学生たち。

大橋「ここは日本だ。海外とは違う」
英理「…………」
大橋「それに目上の人には敬語を使う。常識だよ」
英理「…………」
大橋「僕は君のような宇宙人は採用しない」

プルプルと震えだす英理で―

〇街(夜)

英理、交差点で信号待ちしている。
近くの通行人たちを見る英理。
イチャイチャする若者カップル。
仲良く酔っ払いながら大声で笑っている会社員たち。
歩行者信号が青になると同時に動き出す人の流れ。
少し歩いて立ち止まる英理の周りを人々が通り過ぎて行く。

英理「…………」

ひとり立ち尽くしている英理で―

〇駅・周辺(夜)

帰宅ラッシュの中、女子高生のグループが仲良く話しながら歩いている。
その中に青い眼をした外国人の少女がひとり。
ジェニファー・シャノン(18)である。
友人たちと別れるジェニファー、遠くのほうにライトアップされた看板を見つける。
『英会話ならグッドランゲージ!』。

ジェニファー「…………」

〇グッドランゲージ××校・外観

T「数日後」
駅前のビル中にある、全国チェーンの英会話教室。

〇同・教室

マンツーマン型の指導スタイル。
英理が中年男性の生徒を相手に英会話を教えている。
中年男性がじっと何かを見ている。
まるで事務仕事のように英理が流暢な英語で話す。

英理「Repeat after me」
中年男性「…………」
英理「What`s happen?」
中年男性「エイリアン」
英理「え?」

中年男性の視線の先、英理の名札。
『Eri Andou』。

中年男性「(ヘラヘラして) そう読めるね」
英理「(ムッとして) English please」
加瀬木の声「(先行して) いい加減にしろ!」

<第2話につづく>

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