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※はじめに※
今回のブログはかなりコアな内容になっております(笑)
あらかじめご注意ください( ̄▽ ̄)

原点に返って、今回の舞台はカフェ。

記者・宇加賀井益代はある男の前にずーーーーーーっと立っている。

時間にして実に30分ほど。

益代「あの――」

その男は本をずっと読んでいて、彼女の存在に気づかない。

益代「もしもし?」

何も返答がない。
男は本に集中していて周りが見えない。

益代が本を取り上げようとすると、

スダ「そういうことか!!!!」
益代「……ビックリしたぁ」

男の正体は物書き・スダだ。

スダ「あ、益代さん。お久しぶりです」
益代「約1か月と2週間と30分ぶりね」
スダ「そんなに間が空きましたか」
益代「さすがにもう慣れた。前よりも期間が短かったから」
スダ「じゃあ、このままシナリオの連載だけで――」
益代「おーーーーーい!!!」
スダ「あ、いつもの益代さんが戻って来た」
益代「これ以上影を薄くしないで」
スダ「そう言うと思いました」

益代「ところでさっきの声は何?」
スダ「え?」
益代「え?じゃないよ。そういうことか!って」
スダ「あ、それですか」

スダが本のカバーを取る。

益代「それってシナリオの本?」
スダ「コンクールで賞を獲られた方の作品を読んでたんです。構成やオチがわかって、つい声を出しちゃったんですよ」
益代「そういうのチェックしてるんだ」
スダ「もちろんです!どんな人が書いているのか、審査員はどこに注目しているのかなどがわかるんです」
益代「ウラ話みたいな?」
スダ「そうですね。でもいつの時代も傾向に合わせた作品よりも、作家が自分らしく書く作品が選ばれているほうが多い気がします」
益代「へえ」
スダ「ちなみに放映前のドラマや公開前の映画は必ず脚本家を確認します。シナリオ本を読んでいると、あの作品のあの人か!ってわかるんですよ。これがゾクゾクするんです」
益代「ゾクゾクって……」
スダ「これを極めていくとですね、キャストよりも作家にしか目が行かなくなります」
益代「おいおい!」
スダ「作家集団時代の知り合いが映画の脚本を書かれてたりするととても嬉しくて、そして自分ももっと楽しんで頑張って超えてやろう!と思うんです」
益代「今の世代には珍しいね」
スダ「一応、プレッシャー世代とゆとり世代の間に生まれた者ですから。でもナントカ世代といえど、夢中になれるものは誰にでもあるんです。それをそれぞれの人が極めれば何らかの形になるんです」
益代「でも現実や世間体がある、と」
スダ「気にするなというと難しいですが、最後は気にしないでやっていけるかどうかなんですよ」
益代「自分の人生だもんね」
スダ「物書きであるためにはシナリオやドラマや映画を自ら進んで研究できるかどうかです。シナリオゼミ時代の恩師が言っていました。映画を観て、作品を読んで、物語を書くんだと。その言葉を胸に今日も生きてます」
益代「素敵な人なんだね、その方」
スダ「有名になって、恩返ししたいんです」
益代「叶うと良いね」
スダ「叶えます」

スダの目はマジだ。
益代は話題を変えようとして、

益代「でも、そういう本ってあまり見かけないよね。いったいどこで手に入るの?」
スダ「わかりました。今日のテーマはそれで行きましょう」
益代「宇加賀井益代が伺いますよ」

シナリオ本はどこで手に入る?

スダ「試しに書店へ行ってみてください。シナリオ本ってあまり見かけないんです」
益代「たしかに小説ばっかりだね」
スダ「悲しいことに小説のコーナーはあんなにも広いのに、シナリオ本はなぜか棚の下にひっそりと置かれてます」
益代「芸能書籍のコーナーにあるイメージ」
スダ「でもそれが良いんです」
益代「え?」
スダ「ひっそりと生きながらこの国のシナリオライターたちに希望を与える秘伝の書ですから。むしろ在庫が少ないほうが、買った時の満足感や読んだ後の爽快感が味わえるんです」
益代「なんかスケールがスターウォーズっぽくなってきてるけど」
スダ「小説は想像力や文章力を高めて、様々な言葉を知る良い機会を与えてくれます。しかしシナリオに興味のある人にはぜひシナリオ本を読んでもらいたいんです」

<代表的なシナリオ本>

月刊ドラマ
月刊シナリオ

上の二冊は映人社様より発行。

月刊ドラマは話題の連ドラやコンクールの受賞作品、ラジオドラマを載せてます。

月刊シナリオは上映中の映画や昭和の名作シナリオを載せてます。

ここだけの話、エンディングの視聴者プレゼントでノベライズ化決定の知らせを聞くと「シナリオ本も出してほしいんだけど」と心の中で思います(笑)

では、シナリオ本はどこにあるのか?
その行方を追ってみましょう!

1、大きな書店

ほとんどの場合は規模の大きな書店に必ず置いてあります。

放映されたテレビドラマのシナリオ本が年に何冊か販売されます。

いくつか例を挙げますと、

岡田恵和さん
「泣くな、はらちゃん」(日テレ)
「ひよっこ」(NHK)

宮藤官九郎さん
「あまちゃん」(NHK)
「ごめんね青春!」(TBS)
「池袋ウエストゲートパーク」(TBS)

坂元裕二さん
「カルテット」(TBS)

などが店頭に並んでいました。

ただし、人気商品なので販売されてから時間が経過したものは在庫が無い可能性があります。

2、シナリオスクール
これは確実な方法です。
何せシナリオの専門学校ですから(笑)

月刊ドラマと月刊シナリオがあります。
しかもバックナンバーもあるので、書店と違って買えなかったという心配がありません。
ただ、人気作は売り切れることがあるのでご注意を!

さらに「月刊シナリオ教室」もあります。

こちらは表参道にある名門校のシナリオ・センター様が発行しており、主にドラマやコンクールの作品が掲載されております。

3、大手通販・ア〇ゾン
廃刊となった幻の書籍があります。
ライターなら要チェックです!!

ここでは山田太一さん、向田邦子さん、市川森一さんといった昭和の名作ドラマのシナリオが手に入ります。

山田太一さん
「男たちの旅路」
「ふぞろいの林檎たち」
「早春スケッチブック」

向田邦子さん
「寺内貫太郎一家」
「阿修羅のごとく」
「あ・うん」

市川森一さん
「傷だらけの天使」
「淋しいのはお前だけじゃない」

ピンからキリまでありますが、プロのライターがどういうことを書いているのかを知るためには必要な投資でしょう。

スダ「探してみると、身近にシナリオ本は存在しているんです」
益代「自分から調べないと見つからないね」
スダ「仕事も一緒です。自分から知ろうとする姿勢がないとなかなか続きませんし、いつか必ず気が滅入ってしまいます」
益代「たしかに言えてる」
スダ「他人から言われなくとも自分が夢中になれるものをとことん追う姿勢こそ人には必要なんだと僕は思います」
益代「なんだかんだ今の社会に一番求められてることなのかもね」
スダ「何かに夢中になっていれば、自分が何もやらなければ何の結果も出ないんだということに気づきます。だからこそ行動すれば何かしらの結果が出ると気づいたときに楽しいと思えるんです」
益代「夢中になれるものって大人になるとついついガマンしちゃうのよね」
スダ「大半は金銭的な問題でしょうね。でも、一度きりの人生です。覚悟を決めないと」
益代「そういえばどうしてライターになろうと思ったの?」
スダ「理由は……とくに」
益代「え?」
スダ「気づいたらテレビドラマが好きでした。で、それらがどのように出来ているのかと思って調べていったらシナリオに行き着いたんです」
益代「な~んだ、もっと本能的な理由があるんだと思ってた」
スダ「きれいごとに聞こえますかね?」
益代「お金をガッポリ稼ぎたいとか、若いお姉ちゃんたちと遊びたいとか、有名人になりたいとかさ」
スダ「欲がないかと言えばウソです」
益代「おい、この腹黒ヤロウ」
スダ「でもそれこそが人間の核なんで」

物書き・スダの細かいこだわり

スダ「ここからはシナリオ本への僕の細かいほどのこだわりを語らせてください」
益代「今回はいつになくしゃべるね」
スダ「他に喋れるとこがないんです」
益代「さては友だちいないな?」
スダ「えっと、シナリオには準備稿と決定稿があります」
益代「あ、話そらした」
スダ「名前の通り、準備稿は途中で決定稿は撮影用です」

『決定稿』について

撮影の際に使われるシナリオです。

映像化された作品を思い浮かべましょう。
ドラマでも映画でもアニメでも良いです。
それらは決定稿がもとになっています。

市販のシナリオ本は決定稿が載っています。

スダ「初めて本屋でシナリオ本を手に入れた時、この上なく感動しました。求めていたものを手に出来た喜び。もう10年近く経ちますが今でもはっきりと覚えています」
益代「もう自分の世界に入っちゃってるし」
スダ「では決定稿をどのように味わうのか?と、その前に……まずは普通にシナリオ本を読みましょう」

シナリオ本を読んだあとは…

あれこれ、頭の中でイメージするのです。
次にその作品を観ながら読みます。

シナリオライターを目指している人ならば、
一度は必ずやったことがあるはずです。
妙な一体感に心が沸き上がります。
まるで撮影現場にいるような感覚です。

ここから深く味わう方法が3つあります。

ひとつ目は、
『違う部分を見つける』です。

初稿、第2稿、ゴタゴタあって、決定稿。

現場のシナリオはこうして出来上がります。
まさに血と汗と涙の結晶でしょう。

しかし決定稿と言えどアドリブが入ります。
撮影現場で差し替えられるのです。
天候やロケ地や役者の予定など様々です。
すると違いに気づきます。

・シナリオにあるシーンやセリフがない
・サブタイトルが仮のものである
・役名が変わっている

確かに市販のシナリオ本は決定稿です。

しかし、隅にはこう書かれています。
「本放送とは異なる部分があります」

この違いを知るのも楽しいのです。

これらを経てシナリオは映像となるワケです。
そして名シーンや名ゼリフが生まれました。

ドラマや映画を愛する人なら必ずやること。
それは好きな作品のシーンやセリフの再現です。
一挙手一投足、一語一句覚えているのです。
そしてついつい熱く語ってしまいます。

恥ずかしながら私もそうだったりします。
コアなファンの憎めない性ですね(笑)

続いては、
『脚本家の書きグセを知る』です。

脚本家とて人です、必ずクセがあります。
つまり書きグセがあるはずなのです。

・シーンの長さ
・ト書きにおける現場への指示
・セリフの言い回し
・柱となる場所の書き方
・文章の読みやすさ

これは作者ごとに全て違います。
書きグセはシナリオの味です。
独特な文章を分析するのも大切なのです。

ちなみに極めていくと、ドラマを観ていると誰が書いたかわかる!なんてことが起こります(笑)

最後にもうひとつ紹介します。
それは『脇役の名前を知る』こと。

有名どころは役名と名前が一緒に出ます。
しかし、脇役や端役は役者の名前のみです。

試しにエンドロールを観てください、演者の名前のみだと思います。

作品次第ですが、脇役にも役名があるのです。

決して表には出ないかもしれません。
しかし、そこに気づくことも大切です。

役者さんは頂いた役を一生懸命に演じます。
どんなにわずかな登場でも役名があるのは、
生みの親である脚本家の愛情なのです。

いかがでしょうか?
薄い紙の上の文にもこんなに味があるのです。
『目の前にある些細なもの』に見えるもの。
深く掘り下げると味があるかもしれません。

益代「今回はかなりしゃべったわね」
スダ「こんなの序の口です。2年前のシナリオ講演では2時間半喋りっ放しでしたから」
益代「はあ?!」
スダ「むしろ聴いて下さってる方たちのトイレのほうが心配でした」
益代「勝手に突っ走るもんね、アンタ」
スダ「いつもすいません」

益代がコーヒーを一口。

益代「……元気そうで安心した」
スダ「はい?」
益代「心配だったのよ。ここのとこ、更新なかったから」
スダ「実は裏で新作を書いてました」
益代「お、まさか新プロジェクト?!」
スダ「来年には発表できるかと」
益代「そっかそっか、楽しみにしてるね」
スダ「着々と自分の世界を築いております。これもたくさんの人たちのおかげです」

スダと益代が握手する。

益代「来年もよろしくね」
スダ「よいお年を」

シナリオコラムはまだまだ続く。

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