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〇病院・真田の研究室

驚きを隠せない忠男。
真田がお腹を擦りながら、

真田「そんなに驚くことないだろうよ」
忠男「いや、ビックリするでしょ! てか、お腹に虫飼ってて何ともないんですか?」
真田「うん。あ、ちなみに今の子は3代目だよ」
忠男「はあ?」
真田「初代がアヤコちゃんで、次がアオネちゃん、そして今がアイミちゃん」
忠男「みんな名前にアが付いてるし」
真田「そうなんだよ、不思議な縁でね。あ、4代目は何て名付けようか。アから始まって― でも高校は男子校だったから、大学時代いや予備校に好きだった女の子に―」
忠男「もういいです。てか、センセイ意外と恋しててビックリだし」
真田「(お腹をなでながら) よしよし、君に変な虫は寄り付かせないから安心してね」
忠男「(ボソッと) 無視かい」
真田「上手いね、虫だけに無視とは」
忠男「そういうつもりで言ったワケじゃ」
真田「ところで何の用だね?」
忠男「え?」
真田「サバに付いてたアニーちゃんはもう君の胃から取ったはずだし」
忠男「(呆れて) アニーちゃんって。アニサキスでしょ。ミュージカルじゃないんだし」
真田「さてはその顔、お腹に飼いたい子でも見つけたのかな」
忠男「んなワケないでしょ」
真田「冗談だよ」
忠男「その顔で言われてもぜんぜんジョーダンに聞こえないです」
真田「すまんすまん。それで?」
忠男「あ、こないだのセンセイの彼らを嫌うなとかなんとかかんとかって話」
真田「ああ、そのことか」
忠男「いったいどういうことなのかなって」
真田「よくぞ聞いてくれたね。信じてもらえないとわかっていて伝えるが、僕はこの子のおかげで健康を保っていられるんだ」
忠男「え?」
真田「もともと花粉症やアレルギー体質だったけど、この子と同居し始めたらそれがピタリと止まったんだ。調べたらどうやら彼女は体内で抗体を作ってくれたらしい」
忠男「そんな―」
真田「あくまでこの身体で実験して出た答えだからね。僕はこの子との相性が良かった。つまりこの子と合わない人もいる」
忠男「それ、普通の人が聞いたらぜったい信じないでしょうね」
真田「それでも僕は自分を信じてる。きっと世の中に正しい答えなんてものはないんだよ。立場が変われば答えだって変わる。だから最後は自分で決めるものなんだ」
忠男「…………」
真田「もちろん、ヒトを苦しめる寄生虫もいるよ。でもそれはただ人体にその子が合わないというだけなんだ」
忠男「それでこないだオレは―」
真田「アニーちゃんにフラれたって訳だよ」
忠男「もっとマシな言い方あるでしょ」

忠男のお腹が鳴る。

真田「君のお腹の虫が鳴いてるね」
忠男「……一口だけ」

真田はルンルン気分。
おそるおそる忠男がパクリと一口。

忠男「意外とイケる」
真田「嬉しいね」
忠男「(ハッとして) まさか、このなかにあの子たちが入ってるなんてこと―」
真田「もちろん」

忠男、吐き出す。

真田「すまんすまん、冗談だよ」

真田を必死に睨む忠男で―

〇パチンコ店・外観

店内からジャラジャラと音が聞こえる。
ふらっと忠男がやってきて―

<第5話へつづく>

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