物書き・スダ×記者・宇加賀井益代のシナリオコラム①「シナリオのブログはこう読む」
「あたしの心を埋められるのは原稿用紙のマス目だけ」
それがこのコラムの正式名称だ。
――某カフェにて。
とある物書きととある女性記者の対談。
女性の名は宇加賀井益代(うかがい ますよ)。
年齢不詳。その名の通り”伺いますよ”が由来の記者である。
口の悪いレディだがどこか憎めない。
5月下旬に現れた謎のシナリオサイト。
気になった彼女はそこの主、物書き・スダにアポを取った。
一見、ただの取材らしいが何やら目的があるとかないとか……
益代「さて始まりました、宇加賀井益代の【あたしの心を埋められるのは原稿用紙のマス目だけ】。シナリオについてあたし、宇加賀井益代が伺いますのでよろしくお願いしますね」
スダ「よろしくお願いします。いきなりすごいタイトルがやってきましたね」
益代「これあたしの専売特許なんで。むやみに使ったら著作権料もらいます」
スダ「使いません(汗) ちなみに宇加賀井益代が伺いますってのは狙いですか?」
益代「はい。これがないと仕事モードに入れなくて。あとはツカミ(笑)」
スダ「わかります。そういうのって大事ですよね」
益代「ところでさっきまでスダさんの経歴についていろいろ教えて頂きました」
スダ「今回コラムとしていろいろ載せて下さるそうで」
益代「ですが、あまりにもつまんないので全部カットします」
スダ「ちょっと! それはないでしょ」
益代「謎は多いほうが魅力的で良いですよ」
スダ「あり過ぎても困りますけど」
益代「(棒読み) 気が向いたら載せます」
スダ「載せないだろうな、こりゃ」
益代「実は昨日知り合いにこのサイトを見せたんです」
スダ「ありがとうございます」
益代「で、質問をもらったんで伺ってもいいですか?」
スダ「もちろんです」
益代「ではこんな質問をもらいました」
シナリオのブログを見たのですが、
小説と違ってどう読めばいいですか?
益代「はい、クレーム入りました!」
スダ「クレームって(笑)まだ1回目なのに」
益代「ちなみに行きつけのアクセサリー屋のお兄ちゃんからの質問です」
スダ「シナリオと関係ないですよね(笑)」
益代「その子めっちゃイケメンでモテモテなの。あたしもあと5年若ければお持ち帰りされるんだけどなぁ。どうにかなんないかしら?」
スダ「益代さん、まだまだお若いので大丈夫ですよ」
益代「レディをからかうんじゃない!」
スダ「ええっ(汗)?」
益代「これはこれは失礼しやした」
スダ「…………」
益代「で、どんな感じなのかしら?」
スダ「例えば一番最初に載せた「七草千景は激辛クライシス」を参考にします」
〇激辛ラーメン専門店
ふと千景の箸が止まる。
傍らで見ていたギャルっぽいバイトの渋沢里音(20)が心配して、
里音「どしたんすか、チカ姉」
千景「うん、ちょっとね」
里音「ん? ん? ん? ん? その辛さじゃぜんっぜんマンゾクできないとか」
千景「いやいや、そうじゃないって」
里音「いつもより辛くしてるハズなのに。こりゃよっぽどのコトだな、きっと」
千景「…………」
里音「食えるのはウチだけだと思ってたあのハバネロ超マシマシ担々麺。そこへさらにデスソースレボリューションレベル4をトッピングしてクリアしたのはチカ姉だけっすからね。もう大、大、大リスペクトっすよ! なんでも言ってください、ウチら辛友じゃないっすか!」
この場合、
- 〇激辛ラーメン専門店⇒場所のこと
- ふと千景の箸が止まる。⇒千景の行動
- 千景「うん、ちょっとね」⇒千景の言葉
スダ「小説は感情が書けますが、シナリオは行動や情景やセリフくらいしか書けません。それは映像で表現するためです。が、このブログでは読みやすいように感情や状況の表現も入れたりしていて―」
益代「…………」
スダ「益代さん?」
益代「…………」
スダ「益代さん!」
益代「ごめんごめん、あまりにも説明がクソマジメすぎるんで寝ちゃいました」
スダ「あのですね!」
益代「場所を表す〇を柱、キャラの行動をト書き、言葉はセリフっていうんですよね」
スダ「……よく知ってますね」
益代「これでも一応記者ですから」
スダ「さすが」
益代「あなたより数億倍イケメンなシナリオライターを取材する前の日に徹夜で勉強したんで」
スダ「えっと、じゃあもう説明しません」
益代「(舌打ち)」
スダ「あ、今舌打ちしました?」
益代「べつに」
スダ「何か文句でも?」
益代「とくにないです。あの、そろそろ時間なのでまとめてください」
スダ「…………」
益代「長ったらしいと、このブログ最後まで読んでもらえないから。あ、今何人か画面を上にスクロールし始めちゃいましたよ」
スダ「益代さん!」
益代「ほら、とっととまとめんかい。ブログで一番読みやすいとされる2000字を超えちゃうぞ」
スダ「シナリオのブログを読むときはどんな場所にキャラクターたちがいて、そこでどういうことをしているか・どんなセリフを言っているかを軽くイメージしてもらえれば良いと思います」
益代「ところでこの里音ってキャラ、セリフに彼女らしさが出ててイイですね」
スダ「ありがとうございます」
益代「セリフもただキャラに言わせるだけじゃないんだぁ」
スダ「ちゃんとそれぞれ色があります。それについてはまた別の回にでも」
益代「とか言って次回はないんでしょ?」
スダ「あります」
益代「いま流行りのやるやる詐欺とかじゃないの?」
スダ「必ずやります!」
益代「ほうほう」
スダ「ちなみに次回のテーマは―」
益代「ぶっちゃけハバネロ超マシマシ担々麺デスソースレボリューションレベル4って何なの?です」
スダ「もはやシナリオコラムですらない」
果たして次回はどうなるやら。
対談はまだ始まったばかりだ。
to be continued……
<今回のおさらい>
・シナリオは場所と行動とセリフ
・映像をイメージして読むと良い
・益代はスダの堅苦しい話が苦手
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