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〇カフェ

カップルがいかにも好みそうな場所。
清楚な服装の七草千景(27)とオシャレな服装の藤宮蓮(31)。
一見するとまるでリア充の甘いデート。
蓮の前にパフェ。千景の前にはブラックコーヒー。

蓮「なかなか良いところだろう?」
千景「……うん」
蓮「こないだテレビでやってて女性に人気らしいから連れて来たかったんだ」
千景「ありがと」

蓮がパフェを食べようとして、

蓮「さて、分けようか」
千景「……最近ちょっと体重的にアレで」
蓮「別腹はお休み中か」

美味しそうにパフェを食べ続ける蓮。
黙っている千景。

蓮「そういえばこれまで見たことないな」
千景「え?」
蓮「千景が甘い物食べてるところ」
千景「そ、そうかな?」
蓮「何か理由でもあるのか?」
千景「とくにないって」
蓮「本当に?」

怪訝そうにパフェを食べる蓮、なかなか疑り深い。
千景はムリに笑顔を作る。

〇千景の過去1・激辛ラーメン専門店

豪快に麺を啜る女性の口元そして轟く音。
男だらけの中、激辛ラーメンをものすごい勢いで食う清楚な女・千景。

千景「辛いものこそ別腹だって」

あまりの吸引力に真っ赤なラーメンの汁が千景の白い服に飛び散るほど。
隣に座っている男(ネームプレートには『元カレ➀』)がむせながら『リタイア』と書かれたお勘定を掲げる。

〇クラブレストラン (夜)

ステージ上でムードある歌をピアノで弾き語りしている女性アーティスト。
背後に都内のビル群と夜景が見える。
蓮は雰囲気に酔いしれている。 対照的にどこかムズ痒い千景。

蓮「どうかした?」
千景「ん? ううん、素敵な曲だよね」
蓮「これ、いちばん好きなんだ。初期のなのにセットリストに入れてくるとは」
千景「…………」
蓮「こういう場所っていいよね。心がこう落ち着くっていうか」
千景「……うん」

千景はその場に集中できていない。

〇千景の過去2・ボクシング会場

騒がしいほどの歓声が響き渡る。
リング上で激しい戦いを繰り広げている筋肉隆々なボクサー。
熱狂している千景の周囲に女性客は一人もいない。

千景「いいぞぉぉ!! やっちまえぇぇ!!」

隣にいる華奢な男(ネームプレートには『元カレ②』)が『give up』と書かれたボードを掲げてゴングが鳴る。

〇大手テーマパーク

夢の国は大混雑。
観光客たちはファンタジーの世界に酔いしれている。
千景と蓮はシューティングゲームのアトラクションの順番待ち。

蓮「やっぱり連休は混んでるな」
千景「そうだね」
蓮「千景も何か話してよ。一方的に俺が喋ってる気がする」
千景「ごめんごめん」

シューティングゲームの機械のほうが気になってしょうがない千景。
アトラクションがスタート。
千景、わざと的を外して打ったりと下手なフリ。
蓮は気づかずに楽しそう。

〇千景の過去3・ゲームセンター

真剣な眼差しとテクニックでガンシューティングゲームをしている千景。
二丁拳銃で敵兵をどんどん倒していく見事な手さばき。

千景「おりゃーーー!」

驚く観衆。白旗を振るミリタリー服の男(ネームプレートには『元カレ➂』)。

〇公園

親子連れが遊具で遊んでいる。
蓮が子どもを見つめる。

蓮「かわいいな」
千景「うん」
蓮「将来、ああいう家庭を築きたい」
千景「蓮は兄弟いたっけ?」
蓮「長男。といっても一人っ子だけど」
千景「私も長女。といっても一人っ子」
蓮「おんなじだな。でもさすがに子どもまで一人っ子じゃ寂しいから二人欲しいな」
千景「そうだね」
蓮「よし! 父親にふさわしくなれるようにもっともっと働いて男を磨くぞ」
千景「…………」
蓮「千景はどんなお母さんになるのかな。きっと女性らしくて素敵なんだろう」

千景は浮かない顔を隠す。
蓮が決心した顔で、

蓮「……ところで今度の金曜は大丈夫?」
千景「うん、たぶん」
蓮「連れて行きたいところがあるんだ」
千景「わかった」

〇激辛ラーメン専門店

千景が何かを吹っ切るように激辛ラーメンを食べている。

蓮の声「千景はどんなお母さんになるのかな。きっと女性らしくて素敵なんだろう」

ふと千景の箸が止まる。
傍らで見ていたギャルっぽいバイトの渋沢里音(20)が心配して、

里音「どしたんすか、チカ姉」
千景「うん、ちょっとね」
里音「ん? ん? ん? ん? その辛さじゃぜんっぜんマンゾクできないとか」
千景「いやいや、そうじゃないって」
里音「いつもより辛くしてるハズなのに。こりゃよっぽどのコトだな、きっと」
千景「…………」
里音「食えるのはウチだけだと思ってたあのハバネロ超マシマシ担々麺。そこへさらにデスソースレボリューションレベル4をトッピングしてクリアしたのはチカ姉だけっすからね。もう大、大、大リスペクトっすよ! なんでも言ってください、ウチら辛友じゃないっすか!」
千景「カラトモ?!」
里音「カラいにトモと書いて辛友。読み方かえればシンユウ」
千景「誰が上手いこと言いなって―」
里音「と! に! か! く! 聞きますんで」
千景「ありがと」

<第2話へつづく>

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