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若宮家の朝。
静かな空気が流れている。

庭で洗濯物を干しているハジメの母・圭子。
リビングではハジメの父・亮助が新聞を読んでいる。

無言のふたり。

しかし心の隅に思うこと、ひとつ。

一方の梶野家では……
入念に窓拭きをする主夫・ハジメ。
義父・芯太郎が身支度を済ませて、

芯太郎「少し出かけて来るから」
ハジメ「行ってらっしゃい」
芯太郎「気を抜かないように」
ハジメ「はい」
芯太郎「太陽光で反射した物がハッキリ見えるくらいまで磨くこと」
ハジメ「わかりました」

芯太郎が出て行ったのを確認し、
スマホを開くハジメ、フォトのギャラリーにある1枚の画像を見つめる。
そこには亮助と圭子そしてハジメの集合写真がある。

ハジメ、ため息をつく。

家事のハジメさんがログインしました。

どうも、家事のハジメこと梶野ハジメです。
婿入りしてから数か月。

今でも実家のことを忘れる日は一日だってありません。
いやファザコンとかマザコンとかそういう意味ではなく、ただただ心残りなのです。

義父・芯太郎から結婚の条件として梶野家への婿入りを提案された直後のこと。
オレは両親に事の次第を話しました。

普段はなんだかんだ優しい両親。
しかし、そうとんとん拍子に話が進んでくれるはずもなく……

圭子「じゃあ、ウチはどうなるの?」
ハジメ「…………」
圭子「跡継ぎ、誰もいないじゃない!」
ハジメ「…………」
圭子「ねえ、ハジメ!」
ハジメ「わかってるよ!」
圭子「なにもわかってない!」
亮助「なあ、ハジメ。自分が何を言ってるのかわかってるのか?お前は若宮家のたったひとりの長男なんだぞ」
ハジメ「だからわかってるって」
亮助「婿入りだぞ?嫁に来てもらうのとは話が違うんだ」
ハジメ「結婚するってことは同じだろ」
亮助「全然違う」
圭子「……信じられない」
ハジメ「本当はどっかに家建てて、実乃里とそこに住もうと思ってたんだ」
圭子「え?」
ハジメ「仕事してるし、金ならどうにかなる。それにここに仕送りだってできる」
亮助「…………」
ハジメ「そう考えてたら、向こうの義父さんが―」
亮助「婿になれと?」
ハジメ「(うなずく)」
圭子「もう呆れてなにも言えない」
亮助「…………」
圭子「婿に入るってことはよその家で暮らすってことよ?こことはルールが違うの」
ハジメ「…………」
圭子「とにかく私は反対だから!」

圭子がリビングを出て行く。
うつむくハジメ。

亮助「悪いが、こればっかりは俺も賛成できない」
ハジメ「…………」
亮助「わかってくれ。これはお前のためなんだ」
ハジメ「……父さん」

亮助がハジメの肩に軽くポンと手を置き、リビングを去っていく。

恋愛は当事者の問題。
しかし、結婚は両家の問題。

梶野家に事情があるように、若宮家にも事情があるワケです。

感情的な母の圭子。
理論的な父の亮助。

そのふたりが首を縦に振ることはありませんでした。

家事のハジメさんがログオフしました。

パソコンの電源を切るハジメ。
再び窓拭きの作業に戻る。

同じころ。
芯太郎がある歩行者とすれ違う。

芯太郎「?!」

瞬間何かを感じる芯太郎だが、気にせずそのまま歩いて行ってしまう。
その歩行者が梶野家の玄関前へ。
何者かが母屋のほうを見ていて……

<episode6へつづく>

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