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若宮家のハジメの部屋。
母・圭子がやってきてカーテンを開ける。
明るくなるとともに、荷物がキレイに片づいているのがわかる。

圭子「…………」

室内を見渡す圭子。
ハジメの父・亮助がやって来る。

圭子「――パパ」
亮助「写真、ないな」
圭子「え?」
亮助「机の上にあったはず」
圭子「そういえば……」
亮助「持って行ったのか」
圭子「ハジメ……」

亮助が落胆する圭子の肩を抱く。
涙を浮かべる圭子。

ちょうど同じころの梶野家。
ハジメがゆっくりと廊下を歩く。
リビングでは主夫である義父の芯太郎がアイロンをかけているところ。
芯太郎の手際の良さに驚くハジメ。

ふと芯太郎の姿が母・圭子と重なる。

ハジメ「!!」

芯太郎が気配に気づいて、

芯太郎「どうしたんだい?」
ハジメ「あ、いえ、ちょっと」
芯太郎「トイレかい?」
ハジメ「さっき行ってきました」
芯太郎「じゃあどうして?」
ハジメ「えっと――」
芯太郎「?」
ハジメ「自分のものは自分でしようかな、と」

芯太郎がアイロン台のシャツを見て、

芯太郎「あ、これは君のか」
ハジメ「いつもお義父さんに洗ってもらってばかりで」
芯太郎「家族だから当然だろう」
ハジメ「それはそうなんですけど」
芯太郎「ま、妻と娘のものとは一緒に洗えないけどね」
ハジメ「…………」
芯太郎「そこは笑うところだよ」
ハジメ「ハハハ」

笑顔がヘタなハジメ。

芯太郎「ほら」

芯太郎からアイロンを渡される

芯太郎「試しにやってみな」

芯太郎からアイロンを渡されるハジメ、シャツに近づける。
芯太郎がハジメの震えた手を見て、

芯太郎「――大丈夫かい?」
ハジメ「もちろんです」
芯太郎「火傷に気をつけるんだよ」
ハジメ「わかってます」

と言ってるそばからハジメが手をヤケドする。

ハジメ「熱っ!!!!」
芯太郎「言わんこっちゃない」

芯太郎が急いでヤケドの状態を確認すると、ハジメをキッチンに連れて行き指に水道水を浴びさせる。

ハジメ「すいません」
芯太郎「見たところ軽度で良かった」
ハジメ「え?」

芯太郎が氷を袋に詰めて、ハジメの指先に巻く。

芯太郎「しばらくこのままで、ね」
ハジメ「は、はい」
芯太郎「ソファで休んでいなさい」
ハジメ「すいません」

芯太郎が再びアイロンをかける。
ハジメはゆっくりソファに座って、

ハジメ「実乃里から聞きました」
芯太郎「ん?」
ハジメ「お義父さんがその、主夫をしてるって」
芯太郎「…………」
ハジメ「こういうの聞いていいのか悩んだんですが――」
芯太郎「男は仕事、女は家庭」
ハジメ「え?」
芯太郎「世間一般はそう言うだろうね」
ハジメ「…………」
芯太郎「でも家事をする男もいれば、仕事に生きる女もいる」
ハジメ「それはそうですけど」
芯太郎「だから僕は家事をしている。それだけだよ」
ハジメ「――なるほど」
芯太郎「食事も洗濯も人の生活に深く関わることなんだ」
ハジメ「…………」
芯太郎「家事は奥が深い。そうは思わないかい?」
ハジメ「ええ、まあ」

引き続きアイロンをかける芯太郎。
ハジメはシワが消えていく様を見ている。

その夜。
キッチンで洗い物をする芯太郎。
ハジメの妻・実乃里が帰って来る。

芯太郎「遅かったな」
実乃里「お腹空いちゃった」
芯太郎「何も食べてないのか?」
実乃里「そんなヒマないよ」
芯太郎「女の子に夜食はおすすめしないんだけどな」
実乃里「めっちゃガッツリしたのがいい」
芯太郎「あのな」
実乃里「多分、これからこうなる」
芯太郎「どういうことだ?」
実乃里「実はね――」

実乃里が芯太郎に何かを伝える。
水道の音で言葉までは聞こえない。

<episode17へつづく>

どうも、家事のハジメこと梶野ハジメです。
いつも読んで頂き、感謝感激です♪
前回までのブログは下のリンクから読めますので、どうぞご覧ください!
勝手にサブタイトルも付けました(笑)

登場人物
プロローグ
episode1 すべての始まり
episode2 ハイスピード草むしり
episode3 覚えてない、覚えてる
episode4 コーンフレークは硬めで
episode5 親の言い分 子の言い分
episode6 招かれざるヤツ現る!
episode7 オレの頭の上の避雷針
episode8 迫られる二者択一
episode9 義父の過去と実母のカレー
episode10 新婚写真のおもひで
episode11 妻と義母の食欲は成人男性並み
episode12 ハジメが倒れる3日前
episode13 罪滅ぼしの徹夜
episode14 点滴と家族と夕暮れと
episode15 義父からの看病

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