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ハジメの休職期間の最終日。
寝室の枕元でスマホを操作している。

家事のハジメさんがログインしました。

どうも、家事のハジメこと梶野ハジメです。
本日も梶野家式・花婿家事修行フルコースを命からがら何とか終えました。

いよいよ明日でひとつの問題が終わりを迎えます。

それは会社に退職の意思を伝えること。

梶野家に婿入りして早数か月。
主夫として妻を支えるという義父との約束を果たすつもりです。

約10年近く勤めた会社とお別れだなんて。

後輩から仕事における大口契約の甘い囁きもありましたが、実父からの婿入りに関する話を聞いて気持ちが決まりました。

あ、妻がやってきたみたいです。
一旦ここで切り上げます。

家事のハジメさんがログオフしました。

ハジメがカバンの内容などを確認。
妻の実乃里がやってきて、

実乃里「前は毎晩そうだったよね」
ハジメ「え?」
実乃里「会社に持ってく資料とか細かくチェックしてたでしょ」
ハジメ「……たしかに」
実乃里「これで見納めか」
ハジメ「…………」
実乃里「よし」
ハジメ「ん?」
実乃里「気持ちいいことしよっか」
ハジメ「え、今から?」
実乃里「うん」
ハジメ「明日早いんだけどなぁ」
実乃里「ちょっとカラダ貸して」
ハジメ「(照れて)……おう」

実乃里がハジメの肩をもみ始める。

ハジメ「イテテテ」
実乃里「お客さん、カッチカチだね」
ハジメ「気持ちいいことって肩もみ?」
実乃里「ここのとこ疲れ気味だったでしょ。血流が悪いとコンディションも悪くなっちゃうから」
ハジメ「実乃里……」
実乃里「アタシも仕事終わりによくマッサージ屋さん寄ってるんだ」
ハジメ「マッサージって響きがいやらしく感じるのはオレだけ?」
実乃里「ちゃんとしたお店だっての!」

実乃里が掴む手をギュッと強める。

ハジメ「すいません!すいません!」
実乃里「悪い子にはお尻ペンペンよ」
ハジメ「だからオレは赤ちゃんか」
実乃里「アタシのほうが年上だから」
ハジメ「たしかに」
実乃里「ママの言うことわかりまちたか?」
ハジメ「はい」
実乃里「よしよし」

普段はバリバリのキャリアウーマンな実乃里が会社では決して見せない裏の顔。
彼の前では時に赤ちゃん言葉で話すのだ。
ハジメは妻が持つそんなギャップに惹かれたのかもしれない。

そして翌朝、決断の日を迎えた。

朝食は芯太郎がすべて作った。
ハジメはスーツ姿で食べている。

ハジメ「作ってもらってスイマセン」
芯太郎「今日だけだからね」
ハジメ「わかってます」

久しぶりの出勤。
きょうは実乃里も義母・勝代もいる。

まるでここへ婿入りした日の翌朝に時間が戻ったような感覚だ。

芯太郎「君のスーツ、久しぶりに見たよ」
ハジメ「何だか恥ずかしいです」
実乃里「うん、懐かしい」
勝代「ちょっと体格良くなった?」
実乃里「お腹ヘコんだかも」
ハジメ「ビシビシしごかれてますから」
芯太郎「誰のことかな?」
ハジメ「さて誰のことでしょうね」

インターホンが鳴る。

玄関を開けるとそこにいたのは……

広樹「ども、家・事・のセンパイ」

後輩の沼川広樹(ヌマ)だった。
義父は彼をサングラス坊やと呼んで……
ってのはこの際どうでもいい。

ハジメ「どうして?」
広樹「朝からリアクションキツイっすね。今日は会社の日じゃないっすか」
ハジメ「そりゃそうだけど」
広樹「迎えに来たんすよ」
ハジメ「迎えって、オレの?」
広樹「ほかに誰がいるってんですか」

芯太郎がやってきて、

芯太郎「お、サングラス坊やか」
広樹「おはようございまっす」
芯太郎「ハジメ君に電話したんだよね」
広樹「電話?何のことっすか?」
ハジメ「(しまった!!)」
芯太郎「昨夜ハジメ君が電話してきたって」
広樹「あ!それは夜じゃなくて昼っすよ」
芯太郎「昼?いや、たしか夜って――」
ハジメ「その話はもういいでしょう。そろそろ行かないと」

実乃里と勝代がやってきて、

勝代「朝に来客なんて珍しいわね」
広樹「どもども」
実乃里「あ、彼が例の後輩くん?」
広樹「沼川広樹っす」
ハジメ「自己紹介はいいから」
勝代「なかなか可愛らしい子ね」
広樹「あざーっす」

『ヌマよ、お前も主夫になればいい』

ハジメ「じゃあ行ってきます」

出かけようとした次の瞬間、

ピンポーン

再びインターホンが鳴った。
顔を見合わせる一同。

ハジメ「もうひとり呼んだんですか?」
芯太郎「いや、知らない」
広樹「誰っすかね?」
実乃里「宅配便さんかな」
勝代「にしては人影が違うわね」
ハジメ「オレが行きます」

と、ハジメが玄関を開ける。

女性の声「ごめんください」

ハジメ「ええっ?!」

目の前にいたのは母・圭子だった。

<episode26へつづく>

どうも、家事のハジメこと梶野ハジメです。
いつも読んで頂き、感謝感激です♪
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登場人物
プロローグ
episode1 すべての始まり
episode2 ハイスピード草むしり
episode3 覚えてない、覚えてる
episode4 コーンフレークは硬めで
episode5 親の言い分 子の言い分
episode6 招かれざるヤツ現る!
episode7 オレの頭の上の避雷針
episode8 迫られる二者択一
episode9 義父の過去と実母のカレー
episode10 新婚写真のおもひで
episode11 妻と義母の食欲は成人男性並み
episode12 ハジメが倒れる3日前
episode13 罪滅ぼしの徹夜
episode14 点滴と家族と夕暮れと
episode15 義父からの看病
episode16 慣れない手つきで大ヤケド
episode17 主夫宣告
episode18 梶野ハジメ改め家事のハジメ
episode19 家事と筋トレの関係性
episode20 実母は知っていた
episode21 義理の親子ゲンカ勃発
episode22 あの日の選択は正しかったのか
episode23 予期せぬ誘惑
episode24 婿入りの掟

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